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2020/11/22

ほっとひと息 ​​​​​​​『コインの肖像』


 

 

 お金を大切だと考える人は多いと思いますが、改めてお金をじっくり観察する人は少ないのではないでしょうか。日本の硬貨の絵には、菊(50円玉)、桜(100円玉)、桐(500円玉)といった植物の図像が多く採用されています。一方、海外の硬貨のデザインには、人物の肖像画が採用されているものが多々あるのですが、意外にもこのタイプの硬貨を持たない日本では、大統領の顔が刻まれたアメリカの硬貨などに異国情緒を感じさせられます。

 さて、硬貨に人の顔を描くという行為は、古来続けられてきたことで、今から約二千年前、イエス・キリストが歩まれた地でも、そのような硬貨が流通していました。この硬貨の肖像に関するエピソードが聖書に書かれています。
 世の悪をはっきりと非難されたイエスには多くの敵対する人々がいました。ある時、イエスを憎む人々は「カエサル(ローマ皇帝)に税金を納めることは律法にかなっていることでしょうか」とイエスに問いかけました。当時イエスが活動していた、ユダヤ人たちの居住する地域は、ローマ帝国の支配下にありました。もしイエスが「税金を納めるべき」と答えるなら、ローマ帝国の支配を嫌うユダヤ人が反発をする。もし「納めるべきでない」と答えるなら、ローマ帝国への反逆となる。この質問は巧妙に仕組まれた罠だったのです。これに対し、イエスは、「税として納めるお金を見せなさい」と彼らに言いました。デナリ銀貨という貨幣を用意した人々に、こう聞きます。「これはだれの肖像と銘ですか。」人々は銀貨の面を見て「カエサルのです」と答えます。するとイエスは「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい」とだけ言われました。イエスの言葉尻を捉えようとしていた人々は何も言うことができず、その場を立ち去っていきました。

 当時の地中海世界の支配者はローマ帝国。現在に残る当時の銀貨の表面には、第2代ローマ皇帝ティベリウス帝のやや神経質そうな横顔を見ることができます。ローマ帝国は滅び、その硬貨も廃れました。しかし、イエスが語った神の国は、今も人々の心の中に存在し続けているのです。。 




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