しばらく前に、私の職場の近くに広い更地ができ、最近、そこに大きなマンションが建設されました。ところが、そこが更地になる前には何があったのか、いくら考えても思い出せないのです。私の場合、そのようなことはよくあるのですが、それは、たまにしか行かない場所であったり、久しぶりに通りかかった場所であったりと、これまではさほど気にも留めていませんでした。ところが、今回は毎日のように、時には日に何度も通っている場所でしたので、私のショックは大変なものでした。私は何と周囲に無関心に通り過ごしていたことか…と。
　この場合、思い出せなくても私の生活に何の支障もありませんが、もし大きな恩恵を受けていることに気づかずに日々を過ごしているとしたら、それは大きな損失でしょう。
　「今日の月はきれいだったね」と言われて、「私、見てなかった…」とか、「朝日のすがすがしさに、一日の始まりを神様に感謝する。夕焼けの美しさに、一日の守りを神様に感謝する」と話してくれる友人に、「そうね」と相槌を打ちながら、「そんなに感動して見たことがないわ」と少し淋しさを覚える私。このように、身の回りの小さなことに感動し、それらを備えて下さっている神様の愛に感謝して日々を過ごせたら、私の生活はどんなに心豊かになることでしょうか。
『主（神様）の恵みで地は満ちている』からです。