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2022/01/09

ほっとひと息 ​​​​​​​『奢(おご)る者 久しからず』


  
 
  「祇園(ぎおん)精舎(しょうしゃ)の鐘(かね)の聲(こえ)、
 
諸行(しょぎょう)無常(むじょう)の響(ひびき)あり。
娑(しゃ)羅(ら)雙樹(そうじゅ)の花(はな)の色(いろ)、
盛者(じょうしゃ)必衰(ひっすい)の理(ことわり)をあらはす。
奢(おご)れる人(ひと)も久(ひさ)しからず、
只(ただ)春(はる)の夜(よ)の夢(ゆめ)のごとし。」

 これは、ご存知のように「平家物語」の冒頭の一節です。この物語の主人公は平清盛で、太政(だじょう)大臣(だいじん)(当時の国のトップ)にまでなり、世はすべて平氏に迎合しました。しかしその後、清盛は奢り高ぶり、そのふるまいも横暴になりました。とても長い物語ですが、清盛の死後、平家は衰退して行きます。

 聖書にも、イスラエルのサウル王とダビデ王の物語があります。ダビデは、若いときサウル王に仕えていました。彼のもとでダビデは目覚ましい働きをし、民から「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った。」と歌われましたが、それを聞いたサウル王は、ダビデに対して激しい妬みを燃やします。

 一方ダビデは、戦いで勝利した時、戦いに出て行った者だけで分捕り物を分けようとした仲間に言いました。「兄弟たちよ、主が私たちにくださった物をそのようにしてはならない。主が私たちを守り、…略奪隊を私たちの手に渡されたのだ。…戦いに下って行った者への分け前も、荷物のそばにとどまっていた者への分け前も同じだ。ともに同じく分け合わなければならない。」と言い、その日以来ダビデはこれをイスラエルの掟(おきて)にしたことが記されています。

 サウル王はその後、ペリシテ人(敵国)と戦って傷を負って自害しました。ダビデはサウル王のため、またその息子ヨナタンのためにも哀歌(あいか)を歌いました。こうして、ダビデはサウル王の後継のイスラエル国王となります。彼の王としての業績は、聖書に書かれています。

 「盛者(じょうしゃ)必衰(ひっすい)の理(ことわり)」は、古今、洋の東西を問わず同じであることがわかります。多くの場合、人は権力を持つと高ぶりやすくなるようですが、権力の有無にかかわらず、聖書は「高ぶり」に対してあらゆる箇所で忠告しています。

 『主ご自身が忌み嫌うものが七つある。高ぶる目、…』
 『高慢は破滅に先立ち、高ぶった霊は挫折に先立つ。』
 『人から出て来るもの、それが人を汚すのです。…、高慢、…』
 『神は高ぶる者には敵対し、へりくだった者には恵みを与える』 ・・・

 「高ぶり」が人間にとってどんなに恐ろしいものであるかを教えられることができます。
 今を生きる私たちはどうでしょうか。 
 


  
 
 

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