最近、「昭和レトロ」という言葉を見聞きします。私も学生までは昭和の時代を過ごしましたので、その時代を舞台にした映画や映像を見ると懐かしい気分になります。特に思い出されるのが、通りや小規模な建物内の通路に様々な個人商店が並ぶ風景です。そしてそこにはお店の人との会話が常にありました。小学校低学年の頃のお使いで、その会話を通して、八百屋さんで「人参」という漢字を覚えたことや、パン屋さんで食パンの「〇枚切」の意味を知ったことが思い出されます。前者は母から預かったメモ内の漢字が読めなかったこと、後者は単なるパンの枚数と思っていた誤解がもとにあり、少々恥ずかしかったことですが、お店の人がにこやかな表情で教えてくださったことが心に残っています。そのことを考えると、今の子供たちは、親や先生以外では、大人と会話することが少なくなっているのではと感じます。また、幼児期の記憶は殆どありませんが、その頃住んでいた所でも、商店街の人たちが、子供たちを見守っていたということを両親から聞かされてきました。
　コロナ禍も拍車をかけて、昨今このような人と人が繋がる場所がめっきり少なくなってきたように思います。ところが、今もこのように繋がれる場所があります。教会です。
　教会は、集う人たちが一つの家族のように、子供から年配の方までが語り合える和やかな雰囲気が自然と出来上がる場所です。『あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、聖徒たちと同じ国の民であり、神の家族なのです。』（聖書）とあるように、教会には、垣根が無く、時代を経ても変わらない人の繋がりがあります。

 

  
 

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