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2022/07/24

ほっとひと息​​『靴屋のマルチン』


  
 ひと昔前と言えば良いのでしょうか、仕事などで出かける時に男性は黒い皮靴、女性はハイヒールと言うのが一般的でした。今のようにスニーカーが会社や街中で闊歩することはほとんどありませんでした。このような所にも時代の移り変わりがあるようです。ところで、どれ位の人が靴の修理を利用しているのでしょうか。「靴の修理」で私が思い出すのは、トルストイ原作「靴屋のマルチン」というクレイアニメの映画です。
 マルチンは腕の良い靴職人でしたが、妻に先立たれ、程なく息子にも先立たれてしまいます。ただ惰性で仕事を続けていたある日、祭司が聖書を持ってきて革表紙の修理を依頼します。一度は断ったマルチンでしたが引き受けました。聖書のページをめくりながら眠り込んだマルチンは、神さまが訪ねてくると言う声を夢の中で聞きます。
 翌日、マルチンは修理をしながら心待ちに窓の外に目を向けます。すると赤ちゃんを抱いて寒さに震える女性の姿が見えました。マルチンは妻の形見のショールを思いきって差し出します。女性は涙を流して喜びました。次に見たのは、雪かきをしている男性です。クシャミをしています。マルチンが彼を招き入れて温かい飲み物を振る舞うと、男性は心も体も温まったと礼を言って出て行きました。やがて夕刻近くになり、なおも外を見ると、リンゴを盗んだ男の子を怒っている老婆の姿がありました。マルチンは老婆に私たちの罪に比べたらこの子の罪はいかほどのものかと話しかけます。老婆は、ごめんなさいと言ってリンゴを返した男の子と一緒に帰って行きました。
 日も暮れて、神さまは来られなかったとつぶやくマルチンはうとうとしてしまいます。すると「私だよ」と言う神さまの声とともに、昼間の女性や男性そして老婆たちの姿が次々に現れてきました。目を覚ましたマルチンの前に聖書のことばが開かれていました。
『あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです。』
翌朝、マルチンは喜び勇んで踊りの輪に加わって行きました。
 この映画の冒頭でトルストイの娘さんが「父はこの作品を最も愛していた」と語っています。
 



 
 
 

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