私の父は、姉と私にそれぞれアルバムを作って、そこに手書きのコメントを書いてくれています。姉には「美しく健やかに成長するように」とあり、私には「少年老いやすく学成り難し」です。その言葉の意味を知るようになって、姉へのコメントとの差に憤慨したものです。
　広辞苑には、「月日がたつのは早く、自分はまだ若いと思っていてもすぐに老人になってしまう。それに反し、学問の研究はなかなか成しとげ難い。だから、寸刻を惜しんで勉強をしなければならない」とあります。何を思って、父がこの言葉を私へのコメントとしたのかは、今となっては不明なのですが、私が無駄に人生を送らないよう、戒めの言葉として、この言葉を送ってくれたのかなと思いを馳せる今日この頃です。
　聖書には『私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。そのほとんどは労苦とわざわいです。瞬く間に時は過ぎ　私たちは飛び去ります。…どうか教えてください。自分の日を数えることを。そうして私たちに知恵の心を得させてください。』とあります。
　父がアルバムに書いてくれたコメントは、聖書の言葉になって「人生は短い、全能なる神様を見上げて生きなさい」と、私に語り掛けているようにも思えます。

  
 

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