昨年の春、三重県北部の郷里に帰った際に鈴鹿山脈の麓にある小さな牧場を訪れました。水沢(すいざわ)という茶所の丘陵地にあり、辺り一面に広がる茶畑の風景を見渡すことができるたいへん美しい場所です。以前に何度か行ったことがあり、だいたい場所の見当はついているつもりで車を走らせました。すると左手に「ふれあい牧場」と書かれた小さな立て札が目に入ったのでそこを左折してやや細い道を進んで行きましたが、それは私の予想に反して林の中をどんどん下っていく道でした。「山のほうに向かっているはずなのにおかしいんじゃない？」と不安になってきました。やがて小さな川にかかった橋を過ぎると、次第に視界が開けてきて前方に目的地の牧場の大きな看板が見えました。前に来たのは随分昔のことで、途中の暗くて細い道のことは全く覚えていなかったのでした。無事に着いてほっとしましたが、自分の感覚に頼って道しるべに疑いを持ったことが恥ずかしく感じられました。考えてみますと人生の道のりの中で自分の進むべき道を思いめぐらすことは誰もが体験することです。そんな時、正しい道を示してくれる信頼できる道しるべがあるならどんなに助かることでしょう。聖書はその鍵を与えてくれる書物です。『心を尽くして主により頼め。自分の悟りに頼るな。あなたの行く道すべてにおいて、主を知れ。主があなたの進む道をまっすぐにされる。』とあります。人生の最終目的地である天国への道を確かに示してくれる聖書のことばをしっかりと心に留めたいものです。

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