この春、吹田市の万博記念公園に行った際、1970年大阪万博の記念館である「EXPO’70パビリオン」の展示を見てきました。特に当時のパビリオンが建ち並ぶ会場の精巧な模型に懐かしさを覚えました。大阪万博が開催されたのは私が小学校低学年の時で、子供の視点でも、特徴的な建築物に未来都市を感じ、わくわくしたことを思い出します。その時見てみたいと思ったものは、「月の石」と「リニアモーターカーの模型」でした。とにかく入場者数が多く、入ることができたパビリオンは僅かで、前者は恐ろしいほど長時間並んで何とか見ることができましたが、後者を見ることは叶いませんでした。
ところが、この度その展示物があり、動く模型ではなかったものの54年の時を経て念願が叶いました。大阪万博以来、リニアモーターカーの開発状況のニュースがあれば興味深く見てきましたが、リニアモーターカーは、磁力で車両を浮かせ、Ｎ極とＳ極の電気的切替えで車両を進ませるもの。超電導など多くの難しい課題があって、いつしか「実験レベルで終わるだろう」と思うようになっていたところ、リニア中央新幹線の計画の発表がされ、驚きとともに未来がやって来た印象をもちました（世界初の実用化は他国ですが）。
　リニアモーターカーには、メリットだけでなくデメリットもあるわけですが、遠く不可能と思われていたことが実現したことには大きな感銘を受けます。
　リニアモーターカーに限らず、このような技術革新のあるところには、技術力の前に、必ず強い「志」があり、それが引き継がれて行っているように思います。  

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