私の祖母は今からちょうど3年前、2021年10月に亡くなりました。大正4年生まれの106歳でした。幸い大きな病気もせず、昔の記憶もハッキリしていたので、亡くなる数年前に二人きりで思い出話を聞かせてもらう機会がありました。

　祖母は10代の頃、兵庫県丹波市の家から京都府綾部市の工場へ働きに出ていたそうです。その工場は、養蚕業を行う郡是製絲株式会社──現在も繊維製品メーカーとして続くグンゼの製糸工場でした。
　創業者がクリスチャンだったグンゼは、工場での劣悪な労働環境が当たり前だった時代に、工場内に女学校を設立するなど女子教育に力を入れていたそうです。祖母も朝礼で聖書の話を聞いたと話していました。低賃金労働による搾取もなかったようで、今でいうホワイト企業の先駆けと言えるかもしれません。「お蚕さんのお世話をしていた」と誇らしげに語る祖母の顔が今でも目に浮かびます。
　祖母はクリスチャンではありませんでしたが、そんな祖母のもとに生まれた私の母がやがてクリスチャンになったことを考えると、感慨深いものがあります。と同時に、神様は祖母の人生にも、神様の方へ思いを向けるきっかけとなるような出来事を与えてくださっていたんだと感じました。

　あなたの人生にも、振り返ると神様からのメッセージのような出来事がありませんでしたか。
　聖書に次のような言葉があります。
『見よ、わたしは戸の外に立ってたたいている。』
　　聖書の神様は、あなたの戸を無理やり開けようとするお方ではありません。あなたを優しく待っていてくださるお方です。あなたの人生に、神様からの恵みと救いの喜びがますます豊かになりますように。