今年は季節の移り変わりが不安定で、やっと朝晩肌寒さを感じるようになってきました。コロナ禍以降だと記憶していますが、この時期になると、私たちの教会の北九州にある枝教会が関係するフードバンクから案内が届きます。それは、冬休みに入ると学校給食がなくなり、ひとり親家庭などの子供たちがお腹を空かせてしまうため、クリスマスや新年を意識した食糧支援の協力お願いメールです。クラウドファンディングと言う、ある目的に対して志を同じくする人々のインターネットを通した募金活動です。これは最近よく耳にする方法ですが、今回、案内の中に「ブックサンタ」と言う聞きなれない働きを見つけました。その活動に賛同する街の書店で子供たちにプレゼントしたい本を支援者が選んで購入し、書店に託します。その本を困窮家庭につながりのある団体が、ボランティアでサンタに扮して子供たちに配達するというものです。子供にはもちろんご家族にも、とても喜ばれているそうです。
　半世紀以上も前のことですが、私も我が家で自分自身の絵本はほとんど持っていませんでした。幸いにも近所の仲の良い同級生の家には、有名な物語を子供が読みやすいように絵本にした全集があり、玄関の上がり口に本棚を置いてくださっていました。私たちは靴を脱ぐことなく本を選び、上がり框(かまち)に皆で腰かけ、それぞれの絵本の世界に浸る、そんな幸いな幼い頃のことを思い出しました。
　より多くの子供たちが活字を通して新しい世界に出会い、ひいては神さまのおことばが書かれた、本の中の本、聖書へと導かれますようにと願わずにはおれません。　　『あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。』