昨年私は二度入院をしました。高齢になる今まで入院の経験はなく、まさに「青天の霹靂」と言うべき出来事でした。慣れない入院生活で、医師や看護師、又それぞれの分野のスタッフの皆さんが優しい言葉をかけながら治療や世話にあたって下さる姿に助けられる思いでした。
　そんな入院生活の中で、どのような時にも励ましや慰めになったのは聖書のことばと、多くの人の祈りであったと思います。
　ある時聖書のことばが書かれた美しいカードセットをお見舞いに頂きました。ベッドのサイドテーブルに置いていると人目につき、見られた方々も興味を持たれるようでした。ある日リハビリの先生に声をかけると、何枚ものカードに目を通しながら一枚を選ばれました。それは『あなたのしてほしいことを他の人にも行いなさい。』と書かれたカードでした。「仕事にも必要と思うんで」と言いながら大事そうに持って行かれました。他のリハビリの先生は、声をかけるとテーブルに並べたカードをトランプのように抜き取り、カードを見るなり「うわー」と大きな声。そこには『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。』とありました。「先生の隣人ってどなたですか？」と問うと「言－わない！」と笑っておられました。
 
聖書にこうあります。
『神のことばは生きていて力があり･･･心の思いやはかりごとを見分けることができます。』
 
私たちには不思議なことですが、神さまのことばは風のように思いのままに吹いて人の心に届けられるものだと思いました。