本を読みながら、笑いや涙を抑えきれないほど、感情が溢れてくることがあります。それが電車の中であったりすると、周囲への迷惑にもなりかねませんから、途中で本を閉じたこともありました。聖書も同様に、神様の愛に感動し胸が熱くなったり、う～んと唸るほどに考え込んだりすることがよくあります。でも、笑ってしまうようなところは…、ありました！かつて、思わずプっと吹き出してしまった聖書のことばがあります。それは、賢者として名高いソロモン王が記した聖書の中の知恵文学の一節です。

　　『また、人の語ることばをいちいち心に留めてはならない。
　　しもべがあなたをののしるのを聞かないようにするために。
　　あなた自身が他人を何度もののしったことを、あなたの心は知っているのだから。』

　良かれと思ってしたアドバイスが、批判と受けとめられ反感をかってしまい、関係がぎくしゃくしたことがあります。その後、聞くことばや発することばに必要以上に敏感になっていた時期でした。後半まで読み進めると、「あなた自身も同じようなことをしているでしょう？」と、まるで神様がウィンクされたような茶目っ気たっぷりの語りかけに、心の中を見通されたことを感じ、吹き出してしまったというわけです。「神様、おっしゃる通りです」と降参し、思わぬ反発によって萎えていた気持ちが、笑いとともに新たにされました。人のことばや態度に心を騒がせやすい者ですから、機会あるごとに、この聖書箇所を思い出しては読み返し、「神様の愛と赦しの心を私にもお与えください」と祈らされています。